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看護師の夜勤「仮眠時間」はどれくらい?病院別・職場別に徹底解説

「夜勤の仮眠時間2時間って普通?」

実は夜勤の仮眠時間は法律では決まってないのよ。

この記事では、日本看護協会の推奨や研究データ、現場のリアルな体験談を交えながら「仮眠時間の目安」と「実際にどう工夫しているか」をわかりやすく解説します。

読めば、眠気や疲労対策のヒントがきっと見つかりますよ。

目次

第1章 法的に決まってるの?

「休憩2時間って普通なの?」と疑問に思う人、多いですよね。
実は労働基準法には「6時間超は45分以上、8時間超は60分以上の休憩」としか書かれていません。
つまり「仮眠時間○時間」という決まりはありません(労働基準法34条)。
だから病院によって休憩の長さや取り方が違うのです。

第2章 公的ガイドラインではどうなの?

日本看護協会の『夜勤・交代制勤務ガイドライン』では、夜勤の途中で連続した仮眠時間を設けることが推奨されています。
特に実労働が8時間を超える場合は、「2時間以上の仮眠が望ましい」とされています(日本看護協会 夜勤・交代制勤務に関するガイドライン)。
つまり「2時間休憩」というのは法律ではなく、あくまで推奨なんですね。

第3章 研究で分かっていること

研究では「2時間の分割仮眠」の効果が調べられています。

広島大学の研究成果では、120分連続よりも90分+30分に分けた仮眠のほうが早朝の眠気を抑えられるとされています(※広島大学【研究成果】夜勤時の覚醒水準の維持と疲労感の低減を可能とする仮眠のとり方 )。

ただし、これらは少人数の実験や限られた条件下での調査例です。

すべての職場にそのまま当てはまるわけではありません。

第4章 実態はどうなの?

実のところ、日本看護協会など公的機関が「夜勤中に実際どれくらい仮眠を取れているか」を全国規模で調査したデータは公開されていません。
一方で、「夜勤回数」「勤務形態」に関する信頼できるデータは公表されています。

日本看護協会の調査によると、

  • 2交替制の看護師の月平均夜勤回数は約4.9回
  • 3交替制では約7.5回

という実態が報告されています(日本看護協会 2023年病院看護実態調査 報告書)。

また、医労連の夜勤実態調査でも、夜勤勤務の多さや連続勤務が負担になっている現状が指摘されています(医労連 2023年度 夜勤実態調査結果)。

これらのデータから、「夜勤そのものが過重勤務になりやすい環境」であることは明らかです。
つまり、2時間の仮眠を確保できるかどうかは病棟の体制や人員配置に大きく左右され、全国的に統一的な実態を示すのは難しいというのが現状です。

第5章 職場・病棟でこんなに違う

夜勤中の仮眠時間は、病棟の種類や人員体制によって大きく変わります。公的データで「職場ごとの仮眠時間」が比較されているわけではありませんが、研究や現場の声からは次のような傾向が見えてきます。

  • ICU・救急:急変やナースコールが頻発するため、連続2時間の仮眠はほぼ困難。分割仮眠が中心。
  • 急性期病棟:休憩枠は90〜120分あっても、急患対応で削られるケースが多い。
  • 回復期・療養:比較的業務が安定しており、仮眠を取りやすいこともある。ただし人員配置次第で左右される。
  • 訪問・施設系:オンコール対応で「休憩=待機」になりやすく、呼び出し次第で仮眠が途切れる。

これはあくまで「傾向」であり、すべての病院に当てはまるわけではないことに注意が必要です。

第6章 どう工夫している?

現場でよく行われる工夫を紹介します。

  • 前半90分+後半30分の「分割仮眠」
  • 0〜4時の眠気ピークに合わせて休憩に入る
  • 耳栓やアイマスクで短時間でも熟睡
  • 起床後の水分補給や軽いストレッチで頭をリセット

小さな工夫でも、翌朝の疲労感が全然違います。

第7章 「2時間休憩は普通?」への答え

結論としては「2時間が望ましいけど、現実には取れないことも多い」です。
仮眠なしでも仕事は回せますが、研究やガイドラインでは疲労や眠気軽減のために仮眠を推奨しています。
もし全く休憩が取れない環境なら、勤務前後の睡眠リズムを工夫することがより重要になります。

夜勤で「仮眠が取れない」「休憩が削られる」—この悩みは、職場の体制に左右されがちです。
もし “理想は2時間、現実は30分” が続くなら、休憩・仮眠の運用が明確で、夜勤回数が調整できる職場への切り替えも選択肢です。
自分を責めるより、仕組みが整った環境を選ぶことが、ストレスからのいちばんの解放につながります。

第8章 現場のリアルな声

実際の声をいくつかご紹介します。

  • 「落ち着いていれば2時間休憩だけど、忙しくて1時間半。30分寝られたらいい方」
  • 「夜勤明けはどっと疲れて“早く帰って寝たい!”と思う」
  • 「仮眠を取りすぎて夜眠れず、昼夜逆転してしまうこともある」
  • 「不穏患者やアラーム対応で休憩を削って記録を進める」

“2時間は理想、でも現場はもっと厳しい”という実態が伝わります。

結論とチェックリスト

夜勤中の仮眠時間は、

  • 法律:時間の規定はなし(休憩義務のみ)
  • ガイドライン:2時間以上が望ましいと推奨
  • 研究:2時間仮眠、または分割仮眠が疲労軽減に有効
  • 実態:平均1時間前後、30分でも貴重という声も多数

つまり「理想は2時間、現実はもっと短い」ことが多いのです。

あなたの職場で確認すべきこと(チェックリスト)

☑ 仮眠時間のルールは明文化されている?
☑ 仮眠場所は静かで安全?
☑ 分割仮眠など柔軟な取り方はできる?
☑ 休憩中に急変時のフォロー体制はある?
☑ 仮眠後に安全チェックの仕組みはある?

まとめ
夜勤仮眠は「量」よりも「質」と「取り方」が大事。2時間眠れなくても、工夫次第で疲労を減らせます。
ガイドラインと研究を参考にしつつ、自分の職場のルールや体調に合わせて、無理なく取り入れていきましょう。

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この記事を書いた人

50代の看護師です。
これまでの転職や勤務経験を通して、働く環境が「心と体の健康」にどれほど影響するかを実感してきました。
このブログでは、看護師の転職、夜勤のリアル、ワークライフバランスの取り方など、実体験に基づいた情報を発信しています。
「もう少し自分に合った働き方を見つけたい」そんな方の参考になれば幸いです。

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